川崎医療福祉大学は学校法人川崎学園の8施設の中の1施設です。1991年に日本初の「医療福祉大学」として、次世代の医療福祉を担う人材を育成するために開設されました。
現在大学は5学部17学科、大学院には、修士課程12専攻、博士課程8専攻が設置されています。川崎学園の『人間(ひと)をつくる 体をつくる 医療福祉学をきわめる』の理念のもと、医療技術学部 臨床検査学科は、医師や患者さんから信頼され、科学技術が応用されている現代医療にあって、多様なニーズに対応できる臨床検査のエキスパートの育成を目指しています。
今回、副学科長の片岡浩巳先生、中原貴子先生に「卓上型生化学自動分析装置ビオリス®30i」の導入経緯、用途など幅広いお話を伺いました。
短期大学から大学になって今年初めての卒業生を輩出されています。短期大学と大学の違いを教えてください。
大学になり、病院実習期間と研究期間が長くなりました。3年生は5~6名の小グループで1年間病院実習を行い、4年生の春学期は研究です。月曜から木曜までは研究で講義は金曜日の1日のみとなります。秋学期は国家試験に向けた試験対策の講義が始まります。大学になったことで、学生が将来を見据えて勉強することができるようになりました。
色々な病院へ研修に行くと病院間での教育の差がでてしまいます。本学の病院実習の特徴は、全員が同じ病院で同じ内容の実習を受けることができます。実習先である川崎医科大学附属病院・川崎医科大学総合医療センターと連携しており、1年を通して検査に関わる一連の内容について実習することができます。
病院での業務は検査だけではないため、チーム医療の勉強の一環として、病院の臨床検査技師と一緒に栄養サポートチーム(NST)への参加、集中治療室(ICU)への立ち合いをします。患者さんへの指導や患者さんへ検査の説明をしている臨床検査技師の姿を実際に見ることで仕事への意識を高めてもらうことに繋げてほしいと考えています。また、検査室には学生が実習できるスペースを設けています。
新しい取り組みとして、検査総合管理学実習では、病院で興味を持った検査や疾患からテーマを決めて、実習最終日に発表をしてもらいます。実際の検査データと疾患との関係性を調べることになるため、より実践に即した内容になっています。
4年生になると2~6名ずつ各研究室に配属されます。1人もしくは2人で1つの研究テーマを決めて、最終的には学内発表を行います。冬には毎年2~3組の学生が中四国支部医学検査学会等の全国学会での口頭発表を行っています。
ビオリス®30iをご採用いただいた理由を教えてください。
令和2年入学の学生から臨床検査技師学校養成所カリキュラムが大きく変わり、生化学自動分析装置の内容を学習する機会が増えました。3年生の病院実習前に生化学自動分析装置を実際に触れて仕組みを理解するためです。これまで1、2年生の生化学・臨床化学の実習は用手法におけるデータの真度、正確さ、精度、直線性などを学んできました。用手法は基礎中の基礎であるため、今後も必要と考えています。ビオリス®30iを取り入れたことで、用手法と分析装置による測定値との違いだけでなく、精度管理やメンテナンスなど、リアルタイムで理解を深められるようなカリキュラムにしています。
病院実習中であっても病院の装置には学生は触れることはできません。しかしビオリス®30iであれば、パラメータを変えて測定をしてみるなど、病院で学んだことから自由に設定を変更して試すことができます。前向き研究に応用することもでき、実習だけの活用にとどまらない可能性があると期待しています。
測定される項目を教えてください。
学内実習では、用手法で測定している項目(TP、ALB、Ca、Glu、LD、T-CHO)を測定しています。さらにTPは電気泳動を、LDは5種類のアイソザイムの測定を行っています。卒業研究では血糖関連項目(Glu、HbA1c、GA、1,5-AG)、Zn、Crの測定を行っています。
3年生では授業で精度管理を学びます。実際の装置で管理試料の測定を行って精度を確認してから検査を行うという精度管理の一連の流れを勉強することができます。
ビオリス®30iを使用した学生のコメントなど教えてください。
研究室に配属されたばかりの学生に操作手順を一度教えただけで、後日装置の立ち上げを頼むとすぐに検査できる状態に装置を立ち上げることができていました。一度マニュアルを見ればすぐに操作できていたので、視覚的に操作しやすい装置ですね。
病院の生化学自動分析装置に比べ、ビオリス®30iはコンパクトな設計で操作画面と装置の動きを一度に見ることができるので、装置を理解するにはちょうど良い大きさのようです。
日常管理はどのようにされていますか。
日常管理の工程は病院実習では見ることのできない内容ですが、重要な日常業務の一環だと認識しています。普段、機械の立ち上げは教員が行いますが、実践力を養うためにも、卒業研究の期間は研究で使用する学生に任せています。
ビオリス®30iを使って今後やってみたいことがありましたら教えてください。
試薬メーカーからいただいたパラメータではなく、自分たちでパラメータの条件を一から見直してパラメータを決めるということを検討しています。試薬の研究にも興味があります。
東京貿易メディシスへのコメントをお願いします。
教育カリキュラムに自動分析装置に関する内容を充実させる目的でビオリス®30iを購入したので、授業内容を検討するにあたって教員4名でトレーニングを受けました。操作ですが、普段は検体検査に関わらない技師や初心者には覚えることが多いようにも感じられました。今後、消耗品の消費予測をするソフトウェアが入るなどシステムの将来性に期待しています。
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